海の中のひとりごと
マーシャルへ行って思ったこと   2003.8.14


 マーシャルの29ある環礁の一つビキニ環礁は、アメリカが水爆実験をしたところで有名だ。
と言っている僕は、ビキニ環礁がマーシャルにあることをはっきり認識したのは最近だし、
ビキニで核実験が行われたことは知っていたが、それがアメリカによるもので原爆ではなく
水爆だったことなど知っていたわけではなかった。

 マーシャルの首都マジュロは酔っ払いが多い。それも昼間から酔っ払っているのだが、
なかには朝から泥酔しているやつもいる。何時に飲み始めて、いつ飲み終わるのか見ていても
さっぱりわからない。

 なぜ働かないで酒ばっかり飲んでいるのか?飲んでいられるのか?
と当然疑問に思うのだが、一つは国民性によるものらしい。
マーシャルでは親戚のなかに一人金持ちがいると、その人のところへ行って食べさせてもらうそうだ。
みんながそんな考えだから金持ちには大勢の親戚が集まってくる。
日本だったら働けるのに働かない親戚を食べさせる人はいないし、たとえ自分の子供でも
そんなことをいつまでも許さないのが普通だろう。
しかしマーシャルはそうなのである。

 もう一つお金のことでは、核実験が行われたことによる補償金がある。
アメリカからマーシャルへ支払われた(今も支払われている)補償金によって、働かなくてもそのお金で
食べていける人がいるようなのだ。そこにまた、親戚が集まってくるという構図は生まれてくるのだろう。

 「南の島で働かないでのんびり生きていく」などというと、一瞬あこがれてしまうが少し考えてみれば
それが幸せなことではないことに気づく。
実際マーシャルにいた酔っ払いは楽しそうではなかった。目が死んでいた(酔っ払っているわけだから
目はとろんとしていて当たり前なのだが、僕には「死んでいる」と見えたのだ)。笑い声は聞こえてこなかった。
酔っ払いたちは道端にでも寝てしまうので、車にひかれてしまうことがあるそうだ。
また自殺が多いという。酒を飲みすぎていて、それが脳に影響を与えるほど飲んでいるから・・・
というのが理由らしい。

 アメリカは自分たちが出した補償金によって、マーシャルの人たちが幸せになると思ったのだろうか?
 お金を出すことがマーシャルの人たちにとってマイナスになることもあると、思わなかったのだろうか?
 タヒチでも核実験が行われたことによる補償金がフランス本国から支払われているという。しかしそれは
 何年後かには支払われなくなるという。補償金が支払われたこと、またそれがなくなることが、
 タヒチの人にとって幸せなことなのだろうか?

 当たり前のことだけど、人は働かなければいけない。仕事は辛いこともあるけど、うまくいかないこともあるけど、
うまくいったと思っても人に認めてもらえないこともあるけど・・・・
仕事をして人に感謝されたときの喜びは、遊んでいるときの喜びとは違う種類のものだからな。
仕事が終わったあとに飲む酒が旨いんだよな。遊んだあとに飲む酒も旨いけど、一年中毎日遊んでいたら
きっと酒もうまくなくなるだろうな。

 あっ 何か声が聞こえてきた

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海の楽園・ダイビング