海の中のひとりごと
2003.5.8  我慢できないときはしかたないけど

 おしっこの話です。

 最近はウェットスーツで潜ることがほとんどなので(ドライは年に1回くらい)、
水中で我慢できなくなってしてしまっても困らないけど、
できるだけ我慢している。

 ウェットを脱いだとき、あのプーンと匂ってくるのがどうしても嫌なんだ。
それまでのダイビングの楽しい気分が、台無しになってしまうと言うと
言いすぎだが、それに近いものはある。
しかたなく、水中でしてしまったときは、ウェットに水をガバガバ入れて、
匂い消しをしている。

 しかし、一日中ボートで海に出っぱなしというときは、だれでもどこかで
用を足している。

 3月のイルデパンは、ボートで一日中海に出っぱなし、ボートにトイレはなかった。
1ダイブして、島影にボートを泊めてコーヒータイムになる。
当然、用を足したくなるので、ウェットを脱ぎ3点セットをつけて海に飛び込んだ。
シュノーケリングのフリをして、本当は用を足していた。
「これで2ダイブ目も水中でしなくて済む」
なんて思ってボートに上がってきてのんびりしていたら、
ボートの一番後ろで一人の外国人が、足を肩幅より少し広げたスタンスで後ろ向きに
立っているではないか。
「何してるの?まさか?あああ」

その外国人、用を足していた。
その人フランス人なんだ。
「フランス人ってそんなことするの?ボートには女性もかなり乗っているんだぜ」

そしてその人何事もなかったようにボートの前方へ戻っていった。
いままで、いろんな国で潜ったけど、そんなことする人いなかったし、考えもしなかったよ。

その日はそれで終わったんだけど、翌日その人また同じことしてた。それだけじゃなくて
その友達も。さらにはダイビングサービスのスタッフまで。
「そうか。イルデパンでは許されることなんだ」
と理解することにした。

ナイトダイビングの日、明るいうちにボートに乗り込みポイントまで行った。
日が沈んでだんだん暗くなってきた。なかなかいい雰囲気だったが、ボートに乗っているのは
全員男だった。日が沈むと寒くなってきた。みんな順番に用を足し始めた。
こうなると我慢するのもばからしい。順番に加わることにした。ボートは静かな海に泊まっているけど
それでも揺れているので、用を足すのはなかなか難しかった。
「ボートからの立ち***。これが最初で最後になるかな?」

 初めに用を足した外国人。その後仲良くなった。
タヒチに住むフランス人で、仕事と遊びを兼ねてニューカレドニアへ来ているということだった。
イルデパンのダイビングの後は、ヌーメアで仕事をすると言う。

 その仕事は「裁判官」

 「裁判官がそんなことしていいのか?」
 「日本だったら捕まっちゃうよ!!!」
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