海の中のひとりごと
2002.5.7  キンチャクガニ

 今年のゴールデンウィークも八丈島へ行った。カレンダーどおりの休みしかないので、海外へ行くには日数が足りない。
沖縄は水温が高くなって、とても良い季節だが、5月6日に帰るエアーチケットを取るのが難しそう。運賃も高いし。

 今回の八丈島旅行のことは、近いうちに「八丈島3」としてページを作成しようと思う。レグルスダイビングには今回もガイディングばかりでなくとても楽しい時間を過ごさせてもらった。水中ではクダゴンベとフタイロハナゴイを撮れたので、写真の出来上がりが楽しみでもあり、心配でもある。

 
 5月5日、2本目のダイビングだった。しげちゃんのガイドで、エントリーして少ししてイワアナコケギンポを見つけてくれた。ゴールドのなかなかきれいなやつだ。お客は4人で全員カメラ持ちなので、順番に撮影かなと思っていたら、しげちゃんが呼ぶ。行ってみるとウミウサギガイの幼体だった。その時は自分では名前はわからなかったけど。ウサギガイを撮影し終わって、ギンポに行くとすぐに撮影に入れた。こういうところが無駄がなくて、良いガイドなんだな。

 しげちゃんが石を持ち上げて何か探し始めた。
「キンチャクガニだな」
キンチャクガニは今まで何度も撮影してきたが、「これで満足」という写真が撮れていない。
あの両手に挟んだイソギンチャクを突き出して、「やるか!俺はこれを持ってんだぞ!」という闘志みなぎる写真を撮りたいんだ。

 しげちゃんが呼んだ。
行ってみるとしげちゃんの手のひらの上にそれは乗っかっていた。
「何だこれは!・・・」

 それは確かにキンチャクガニだった。しっかり両手にイソギンチャクを挟み、見ている私に向かって突き出していた。闘志みなぎる姿だった。しかし、カメラを構えることはしなかった。

 そいつは小さかったのだ。小さすぎた。水中でも3mmくらいだった。ということは実際は何mm?。
そんなに小さいのに、イソギンチャクを持っていることに驚いた。
キンチャクガニが持っている「カニバサミイソギンチャク」は、このカニが持っている以外、海の中で発見されたことがないという。
キンチャクガニはどこから探してくるのか?
それよりもこんな極小のキンチャクガニのサイズに合うイソギンチャクがよくあったものだな。

 さらに小さな感動を覚えたのは、その闘志みなぎる姿だった。対する人間との体重差は想像ができないほどだ。
「イソギンチャクを持ってたって、恐くないぞ」
と言うまでもなく、
おかしさから、レギュレターから吹き出てくる空気で、吹き飛びそうになっているキンチャクガニをしげちゃんは大切に石の下に戻したのであった。
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