海の中のひとりごと
2004.11.26 仕事

世の中にはいろいろな仕事がある。
海外へ行くといろいろな仕事をしている人と出会う。
一番多いのが、ダイビングガイドの人たち、現地旅行社の人たち、ホテルの従業員など
だが、海外で働いている日本人でも現地人でも、やる気を持って頑張っている人たちが
ほとんどである。日本人ガイドの場合、海外に自分の意思で行ったのだろうから、やる気があるのは
当然だろう。現地の人の場合、観光の仕事に就くには、努力や力量が必要であろう。

エジプトは砂漠の国であるが、そのため日本ではあまり見られない仕事もある。
その一つが水やりの仕事。日本でも庭の草木に水をやる仕事はあるが、エジプトのそれは
規模が違う。太いホースで樹の根元にゴボゴボ水を流していく。あの暑さと乾燥の中では
それでもすぐに乾いてしまうことだろう。カイロはナイル川が枝分かれして街中を流れているが、
シャルムエルシェイクには川がない。したがって、水やりのための水は、毎朝タンクローリーで
運ばれた水をまいているのだ。ダイビングサービスのオーナーの家では、水代が月に10万円
かかるという。
ホテルのランクは建物を見るよりも、庭を見たほうがすぐにわかる。グレードが高いホテルほど
庭が緑でおおわれている。

暑い時季のシャルムエルシャイクでは、昼間屋外で働いている人をほとんど見かけない。
人間が働ける気温ではない。屋外の仕事は、朝早くか日が暮れてからしているようだった。
しかし、昼間でも働いている人たちはいた。
板をたてかけて日よけにし、その日影に座っている仕事。はじめは何をしているのか、わからなかったが
周りの状況を見ると何となくわかってきたのだった。現地の日本人に聞いたらやはりそうだった。
彼らは、建築中の建物の前で、番をしていたのだった。建物は建築中なのだが、そこで働いている人は
いない。この暑い時季は作業をストップしているのだろうか。それとも朝早く作業をしているのだろうか。
とにかく、建物で作業をしている様子は一度も見ることがなかった。しかし、その番人はいつもいた。
日影といっても、気温40℃である。吹いてくる風は体温より高い。
その場所にいるだけの仕事。座っているだけの仕事。しかし、この仕事は辛い。辛すぎる。

紅海の海はすばらしかった。陸(砂漠)の風景は印象的だった。カイロの町は、人がごった返していて
活気があった。エジプトの印象は強く残ったのだが、この「仕事」も記憶の中から消えそうにない。